令和4年度事例

《 製造業 》藤絹織物株式会社

DXによるサスティナブルな大島紬販売管理体制の確立

藤絹織物株式会社

伝統的工芸品 大島紬×DXの融合による新しい価値創造
RFIDによる業務効率化及び画像検索による新商品開発向上

課題

大島紬の販売においては、在庫管理の効率化が課題となっている。
また、大島紬の職人の担い手が不足しており、弊社のみならず業界全体として、生産反数の減少に歯止めがかからない状況が続いている。
DXにより業務を効率化、職人の賃金や地位を向上させていくことで、若い方々が大島紬の職に就きたいと思ってもらえるような環境を作っていきたい。

導入デジタル技術と効果・今後の展望

職人頼みで属人化している生産・販売・在庫管理業務をDXにより業務の効率化
導入したデジタル技術: RFID及びハンディターミナル:「RFLogispert」(東芝テック)

  1. 実地棚卸時間95%削減(4時間が10分に)の効率化実現
    棚卸は非接触でかざすだけで大幅な時間削減が実現でき、空いた時間は業務に集中することができ、残業等も減ることができました。
    また、反物もカバーも手に取らなくて済むため、保管状況改善につながることが期待できます。
  2. 反物探しの属人化からの脱却による手待ち時間の大幅な短縮と売上向上
    誰でもかざすだけで、反物が探せるようになり、お客様へスピーディに対応できることで、ニーズに合致した提案ができ、満足いただく反物が紹介でき、売上向上にも寄与できます。
  3. 機能拡張による展示会運営の効率化
    今後、入出庫管理機能を拡張することで、展示会や貸出などでの入出庫作業負荷が軽減され、管理精度が高まります。
    展示会での業務負荷が低減でき、積極的に回数を増やすなどの選択肢を増やすことができると考えます。

原図(デザイン画)・反物の50年ナレッジのデータ化による新商品開発活性化
導入したデジタル技術:大型高性能スキャナーと画像管理ソフト: DOMASⅡ(富士フイルムメディアクレスト)

  1. 新商品開発の期間短縮及び50年ナレッジの活用
    反物・原図(デザイン画)の画像データ化により、検索作業の省力化が実現し、新商品開発のヒントとなる50年ナレッジの活用が可能となり、期間短縮が期待できます。
    流行は繰り返すことから、トレンド分析し、大島紬の価値向上に努めることができます。
  2. 原図保管スペースの有効利用
    原図のデータ化が完了すれば、作業場所近くに原図を置く必要がなくなります。
    これによる空きスペースは、職員の作業場所や研修・育成スペースなどへの有効利用を検討しています。
  3. ホームページのコンテンツ充実による発信力強化
    データ化した反物・原図画像データを自社ホームページに掲載し、大島紬の良さをアピールするコンテンツの充実を図ることを検討しています。
    また、商品ページの充実により、インターネット販売などの売上向上も期待します。

成功要因

  • ソリューションありきではない目的の明確化
    販売管理体制の確立と新商品開発という目的が明確であり、それにあったデジタル技術を選定しました。
  • トップ参画によるスピーディな意思決定
    トップが参画することで、合目的性と導入効果測定を行い、スピーディな意思決定が行えました。
  • 業務変革への柔軟なマインド
    現場はデジタル導入への抵抗感をなく、柔軟な姿勢で取り組まれ、早期での導入が実現できました。

導入を終えて

  1. 社内DX推進責任者コメント
    伝統工芸の世界はノウハウが職人に属人化している面が多く、それらが途絶えてしまうリスクがありますが、今
    回の支援を通して、これまで先人達が培ってきた伝統・
    技術を活かしつつ、販売管理体制の確立、売上アップにむけた一歩を踏み出すことができたと感じています。
  2. 事務局コメント
    伝統工芸とDXの融合を会社一丸となり、推し進められました。今後の更なる展開も期待されます。
企業名 藤絹織物株式会社
業種 製造業
代表者 藤 陽一
資本金 1,000万円
売上 非公表
所在地 鹿児島市南栄1-8-1
従業員 10名
URL https://fujikinu.shop/about

 

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